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2009/11/06  アリガトウ、マツゥーイ!

M・V・P!M・V・P!

昨日ヤンキースタジアムは興奮と歓喜の中、スタンディングオベーションで「M・V・P」をひとりの日本人に向けて連呼しました。言わずと知れた松井秀喜であります。それは彼が野球からベースボールに夢を膨らませ、大きな大きなその夢を掴み取った瞬間でもあります。

私は彼の大ファンであり、プロ野球の大ファンであります。

私が彼を知ったのは星陵高校時代の甲子園です。私が30歳の頃であります。対明徳義塾戦、5打席連続敬遠。勿論、前代未聞の出来事でしたが、打たれるリスクを回避するには敬遠策はセオリーであります。それは、彼が絶対に打ってしまうという懸念から来る最良の戦術のはずでした。彼の可能性を封じ込めるには、その方法しか無かったと明徳義塾の監督は言っています。「高校生の中にひとりだけ、プロが入っていた」相手の監督にそう言わしめる彼の無限の可能性に惚れ込んでしまったのであります。1回もバットを振らずに敗戦する悔しさを思うと、恥ずかしながらもらい泣きしてしまうのでありました。

実は彼のプロ1号ホームランを東京ドームのライトスタンドで目撃しているのであります。巨人対ヤクルト戦7月。年間20試合以上は野球場に脚を運ぶプロ野球ファンでありますから、山本昌の200勝であるとか、槙原のパーフェクトゲームであるとか、江川のオールスター8連続三振であるとか、私はナマで目撃しているのであります。

私もあの頃30歳、不動産業に従事して間もない頃でありました。彼のプロ、スタートと私の不動産業スタートをダブらせるのはおこがましいのですが、事実でありますから仕方がありません。

彼のプロ1号を敵である古田敦也氏は「星を持ってるね」と賞賛しておりましたが、「星」という言葉に過敏に反応してしまう「巨人の星」世代でありますから、大リーグボール養成ギブスを身に付けて日々過ごしていたかどうかは知りませんが、努力に努力を重ねたことは容易に想像できるのであります。そして、あの5打席連続四球の悔しさを晴らし、プロとして生きて行くのろしの1発でありました。

それから10年、「星」を更に輝ける「スター」にする為、バット1本持って単身、海を渡りゆく姿はまさにサムライであります。彼はヤンキースに入った当初こう言っています。「ヤンキースという球団は僕が居なくても優勝できる球団です。だからいつかマツイが居たから優勝できたと言われる存在になりたい」と。

そしてついに昨日彼はニューヨークの星になったのであります。

私のようにホコリまみれの人間と違い、彼は日本人の誇りであります。思えば、彼がヤンキースに入団した20代後半、私はやっとヤンキーを卒業。高校生の頃には前代未聞の不祥事ばかり。彼はと言えば、前人未到の記録ばかり。先生には「おまえの可能性はゼロだから」と言われる始末。いつか見てろと30年経ちましたが・・・・「言った通りだろ」ってな先生の声が聞こえてきそうであります。

そして・・・・・、アメリカで夢を掴んだサムライ、松井秀喜の声が聞こえてきそうであります。


「言った通りだろ!」


不動産部    加藤一史

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