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2010/10/30  生物多様性?

あっという間に10月も終わりであります。秋だというのに、どの家庭にもストーブが登場し、先月までの激暑は、まるで遠い過去の幻のようであります。あの頃、「この暑さ、いつまで続くんだろう?」とご心配なされた貴兄、今となりましては、あの暑ささえ、もう少し続いていてくれても?と思ってしまうから、なんとも人間とは、やっかいな生き物であります。

さて、人間ばかりでは、ございません。冬目前の動物たちにも、異常気象の魔の手が忍び寄る、というお話であります。

つい先日、福島県某所で、熊の親子が射殺され、射殺した猟友会や役場に、抗議が殺到しているそうでありまして、熊出没に震える市民と、だからと言って、殺しちゃうのは駄目だろう?という市民とで、関係者も困惑しているのだそうであります。

以前、名古屋市内に猿出没騒動がございましたが、あの時果たして、「殺しちゃえ!」なんて、思った輩が、おりましたでしょうか?あの時も、子供が咬まれたとか、引っ掻かれたなんて、ニュースでやっておりましたが、まさか、見つけたら殺しちゃえ、という発想には至らなかったのでは?むしろマスコミも明るいニュースとして、扱っていたものであります。アミや仕掛けを持った人間たちを尻目に、屋根から屋根へと、ゆうゆうと渡り歩く様は、立場の逆転した「猿の惑星」を彷彿とさせたのであります。きっと天空で神様は、我々人間を愚かしいと思っていらっしゃるに違いありません。

人間でさえ、食うのに困窮しております昨今でありますから、猿や熊が食べ物を探し回って山から下りて来ても、何もおかしくはございません。これぞまさに生物多様性でありまして、私が理科で習った知識では、生態系とも、弱肉強食とも申します。身につまされる思いではございますが、動物たちの生き残るための侵略は、人間社会の縮図と言っても過言ではございません。

話があらぬ方向に向かっておりますが、ご存知のように、冬場を迎える動物たちにとりましては、勝負の秋でありまして、この時期に十二分な食料を確保するか、若しくは、その体に蓄えるか、しませんと死活問題なのであります。人間も若いうちに、一生食って行ける環境を確保するか、若しくは、通帳に蓄えをするか、しませんと老後が大問題なのであります。

世界一の人口を誇る中国では、多様な食習慣がございます。熊の手は、珍味として、今でも食されていますし、(日本でも食べさせるお店があるそうですが。)犬肉は普通に食卓にあがり、猿の脳みそは、塩辛感覚で召されるそうであります。

イルカを捕獲するな!と、世界を敵にまわす日本ではございますが、その一方、キャットフードや、ドックフード先進国でもあります。戦後の闇市の頃であれば、もしかして犬肉も食したかもしれませんが、現代日本で犬を食す習慣は、聞いたことがございません。犬や猫はペットであって、家族同様に、いや、家族以上の扱いを受けます。某携帯電話会社では、お犬様が家長でありますし、30年近く前には、「なめんなよ!」と、学ランに、はちまき姿の猫が一世を風靡したものであります。さすがに私は、イルカを食べようとは思いませんが、給食で出た鯨の竜田揚げや、鯨ベーコンは、美味でありました。

文化の違いや、環境の違いは、いた仕方ございませんが、人間も動物も必死になって、生きるために、生きているわけで、食を求めてさまよう動物たちを、駆除する権利が我々人間にあるのでしょうか・・・?


♪ 生きてる 生きてる 皆 生きている ♪


不動産部 加藤 一史

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