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2011/11/12 2011.11.11!
昨日はいくつかの国を除きまして、2011年11月11日であったわけでありますが、わざわざ「いくつかの国を除いて」と申し上げましたのは、宗教的な事情で、西暦ではない、暦を使っている国があるからであります。どこの国かは忘れましたが、現在が2040年なんて国もあるそうであります。いかにも縁起のよさげな日でありますから、西暦1111年11月11日には花火なんぞがあっちこっちで打ち上がったりしたのかもしれません。(ひょっとして火薬がまだ発明されてないか?)
自分たちの常識が通用しない、なんてことは、世の中に溢れているわけでありまして、2011年11月11日がある種のお祭り的要素と考え、この日に入籍されたカップルが相当数居たとしても不思議ではございません。ちなみに2010年10月10日は、去年の入籍者数が1位の日であります。そんな幸せな日と捉える人々の裏側で、今年は昭和25年施行以来(現行になって)、生活保護受給者が1番多い年になってしまった最悪の年でもあります。(205万人以上になってしまいました。)自分の生活ぐらい自分で守るべきだと考えるのが、一般的な常識でありますが、ホームレスの方々を見るに付け、「かわいそう」と思う向きもあれば、「ちゃんと仕事しろ」と思う向きもあるわけでありまして、どこに常識があるのかは、議論の余地があると思うのであります。
では、それまでの最悪の年はと言いますと、昭和26年でありまして、204万人あまりが戦後の混乱に乗じて生活保護を受給するという時代でありました。これは「生きる」ということと必死に戦っている時代でありますから、現代とは明らかに異質の理由であります。また、戦争直後でありますから、人口に対する受給者の割合はかなり多いと言えますが、(昭和26年人口は8500万人位でした。)それでも現代の人口で考えますと、約60人に1人が生活保護受給者ということになるのであります。
身近で換算しますと、私の娘のクラスが約30人でありますから、2クラスに1人は受給者の家庭があるということになってしまうのでありますが、「困窮」という言葉の意味からしますと、60年前とは悲壮感や焦燥感と言ったものが、なにやら違う気がするのであります。
そもそも生活保護法というのは、日本国憲法第25条に起因するのでありまして、「すべて国民は、健康で、文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。」ということでありまして、私なんぞは、とてもじゃないけど文化的な生活をしているとは思えないのでありますが、それはちょっと置いておきまして、「最低限度の生活」というくだりにつきまして、思考を巡らそうかと思うのであります。
私が読んだ本の中に、「山谷崖っぷち日記」というのがございます。これは大山史朗氏という人が書いた、私小説であります。第9回開高健文学賞に輝いておりますが、なんとこの方、俗に言う寄せ場の日雇い労働者であります。東京にある山谷地区の簡易宿泊所を生活の拠点にして、畳、1畳程のスペースが彼の生活全てであります。そこから見えてくる「生活」がまさに「最低限度の生活」でありまして、彼の持つ独特な誇りや、常識的には考えられない自論に裏打ちされました、彼だけの「幸せ」が行間から窺えるのであります。・・・本当に、凄い、すばらしい、小説であります。
この小説の中に、「つまるところ、私は人生に向いていない人間なのだ。」というのがあります。また、彼の自論で、食べ物を漁るか、漁らないかは(働いた金で食うかは)、重要な矜持であります。ベンツに乗った、いかにも金持ちそうに見える奴を見ても、彼には、少しも羨ましく思えず、むしろそういう社会的立場を背負ってしまうことが、彼には耐え難いことなのであります。
まるで仏か神様のようなお方でありますが、そこから見えてくるのは、心の持ちようで「最低限度の生活」であっても、明るく、満ち足りた生活が営めるということであります。・・・ただし、「働いた金で食う」という大原則が生きるヒントであるように私には思えるのであります。
数ヶ月前、NHKスペシャルで生活保護受給者のインタビューを観たことがありますが、その方は50歳代前半で、受給していることを「世間様に申し訳ない。」と言っていたのが印象的でありました。働きたいのに仕事が無い。100年に1度の大不況に突入し、1000年に1度の大震災に見舞われ、21世紀は始まったばかりだというのに、なにやら不吉なことばかりですが・・・心の持ちようで「人生」はいかようにも変えられるはずであります。そう信じまして私も・・・不健康を脱し、健康で文化的生活を目指そうと思うのであります。
そういえば、私が子供の頃は(昭和40年代)金持ちなんか1人もいなかったのに、みんな笑顔だったなぁ・・・。あの頃は、大人が一生懸命働いていたということでありましょうか?
集団就職、金の卵、高度成長期。・・・バブル時代とは異なりますが、夢のような時代でありました。
不動産部 加藤一史
自分たちの常識が通用しない、なんてことは、世の中に溢れているわけでありまして、2011年11月11日がある種のお祭り的要素と考え、この日に入籍されたカップルが相当数居たとしても不思議ではございません。ちなみに2010年10月10日は、去年の入籍者数が1位の日であります。そんな幸せな日と捉える人々の裏側で、今年は昭和25年施行以来(現行になって)、生活保護受給者が1番多い年になってしまった最悪の年でもあります。(205万人以上になってしまいました。)自分の生活ぐらい自分で守るべきだと考えるのが、一般的な常識でありますが、ホームレスの方々を見るに付け、「かわいそう」と思う向きもあれば、「ちゃんと仕事しろ」と思う向きもあるわけでありまして、どこに常識があるのかは、議論の余地があると思うのであります。
では、それまでの最悪の年はと言いますと、昭和26年でありまして、204万人あまりが戦後の混乱に乗じて生活保護を受給するという時代でありました。これは「生きる」ということと必死に戦っている時代でありますから、現代とは明らかに異質の理由であります。また、戦争直後でありますから、人口に対する受給者の割合はかなり多いと言えますが、(昭和26年人口は8500万人位でした。)それでも現代の人口で考えますと、約60人に1人が生活保護受給者ということになるのであります。
身近で換算しますと、私の娘のクラスが約30人でありますから、2クラスに1人は受給者の家庭があるということになってしまうのでありますが、「困窮」という言葉の意味からしますと、60年前とは悲壮感や焦燥感と言ったものが、なにやら違う気がするのであります。
そもそも生活保護法というのは、日本国憲法第25条に起因するのでありまして、「すべて国民は、健康で、文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。」ということでありまして、私なんぞは、とてもじゃないけど文化的な生活をしているとは思えないのでありますが、それはちょっと置いておきまして、「最低限度の生活」というくだりにつきまして、思考を巡らそうかと思うのであります。
私が読んだ本の中に、「山谷崖っぷち日記」というのがございます。これは大山史朗氏という人が書いた、私小説であります。第9回開高健文学賞に輝いておりますが、なんとこの方、俗に言う寄せ場の日雇い労働者であります。東京にある山谷地区の簡易宿泊所を生活の拠点にして、畳、1畳程のスペースが彼の生活全てであります。そこから見えてくる「生活」がまさに「最低限度の生活」でありまして、彼の持つ独特な誇りや、常識的には考えられない自論に裏打ちされました、彼だけの「幸せ」が行間から窺えるのであります。・・・本当に、凄い、すばらしい、小説であります。
この小説の中に、「つまるところ、私は人生に向いていない人間なのだ。」というのがあります。また、彼の自論で、食べ物を漁るか、漁らないかは(働いた金で食うかは)、重要な矜持であります。ベンツに乗った、いかにも金持ちそうに見える奴を見ても、彼には、少しも羨ましく思えず、むしろそういう社会的立場を背負ってしまうことが、彼には耐え難いことなのであります。
まるで仏か神様のようなお方でありますが、そこから見えてくるのは、心の持ちようで「最低限度の生活」であっても、明るく、満ち足りた生活が営めるということであります。・・・ただし、「働いた金で食う」という大原則が生きるヒントであるように私には思えるのであります。
数ヶ月前、NHKスペシャルで生活保護受給者のインタビューを観たことがありますが、その方は50歳代前半で、受給していることを「世間様に申し訳ない。」と言っていたのが印象的でありました。働きたいのに仕事が無い。100年に1度の大不況に突入し、1000年に1度の大震災に見舞われ、21世紀は始まったばかりだというのに、なにやら不吉なことばかりですが・・・心の持ちようで「人生」はいかようにも変えられるはずであります。そう信じまして私も・・・不健康を脱し、健康で文化的生活を目指そうと思うのであります。
そういえば、私が子供の頃は(昭和40年代)金持ちなんか1人もいなかったのに、みんな笑顔だったなぁ・・・。あの頃は、大人が一生懸命働いていたということでありましょうか?
集団就職、金の卵、高度成長期。・・・バブル時代とは異なりますが、夢のような時代でありました。
不動産部 加藤一史
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