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捨てる神あれば、拾う神あり

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前回お財布を拾ったお話をさせて頂きましたが、今度は産まれたての子猫を拾ってしまいました。・・・というお話であります。

それは4日前のことであります。女房から携帯に電話があり、いきなり「ごめんね!」で始まる不吉な、つかみであります。「もしもし」でもなければ、「あのさぁ」でもない、「ごめんね!」であります。大抵こんな時は、我が家にとりまして、一大事が起こっていることを示唆いたします。よく言えばあうんの呼吸でありますが、その先が読めるだけに、私としましては、「今度は何だよ!」という気持ちであります。

「子猫を拾っちゃった。」・・・あちゃぁ~、であります。ガァ~ン、とも言います。私は二の句が継げません。茫然自失?な状態で私が発した言葉は、「はぁ~~~~?」であります。我が家は子供たちだって、犬猫の類を拾ってきたことはございません。よりによって、たしなめる立場の女房が・・・。

よく聞くとウチの玄関脇にミャアミャアと鳴き声が聴こえ、一晩中鳴いていたそうなのであります。事情の限り、私でも拾ってしまったであろう状況に、「まっ、しゃあないか。」と思うのでありました。

かと言いまして、先客にインコやトイプードルがおりまして、(動物園じゃないんだから)我が家で飼うことは、ままなりません。そんなわけでありまして、フェイスブックや里親サイトを駆使いたしまして、なんとか、里親になって頂ける方を探したのであります。

これがまた里親さんが、とてもいい方でありまして、(とても常識がある方であります。前回のお財布の持ち主とは大違いであります。)菓子折りと共に、お心づけをお持ち頂きました。お心づけは、私どもに一見して分からないように、そっと忍ばせてありました。お帰りの際に渡され、里親さんが我が家の玄関を出るが早く、女房が目聡くお心付けを発見いたしまして、慌てて里親さんを追っかけた次第でございます。

お心づけを、返す、返さない、で、女房と里親さんとの間で押し問答であります。しばしのつばぜり合いの末、お心づけは、丁重にお返ししたのであります。

たった3日ほどのホームスティではありましたが、15年ぶりに4時間おきに赤ちゃんにミルクなんぞ飲ませたものでありますから、母性が甦ったらしく、ミャアミャアと女房は泣いておりました。

おいおい・・・今度はおまえかよ!

不動産部  加藤一史

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