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1・2・3ダァー!

寅年から卯年に変わったと思いましたら、タイガーマスクが世間を席巻し、どうやら世の中には、伊達直人が沢山いるらしく、善意の連鎖は留まるところを知りません。

ヒーローというのは、どの時代にも出現するわけでありまして、それが厳しい環境で育とうと、恵まれた環境で育とうと、ヒーローになり得る者は、高いココロザシを持っているものであります。例えば伊達つながりで言えば、クルム伊達さんでありましょうか?正確にはヒロインでありますが、大きな意味ではまさにヒーローであります。40歳の肉体を極限までいじめぬき、我々中年層に勇気と希望をもたらします。中日の山本(昌)さん然り、サッカーの三浦カズさん然り、ヒーローがヒーローであり続けることの過酷さは、おそらく我々の想像を遥かに超えたものでありましょう。

ジャイアント馬場がジャイアント馬場であり続けること、アントニオ猪木がアントニオ猪木であり続けること、長島茂雄が長島茂雄であり続けること。このことでどれ程の自己犠牲をし、どれ程の努力を強いられるか?ヒーローになった者だけに訪れる裏側の苦悩。我々に夢や希望を与えれば、与えた分、自らの身を削り落としているのであります。勿論、様々な試練を乗り越え、その最高到達点であるヒーローになれるわけでありますから、限界が近づき、ある日を境に十六文キックが出来なくなったり、コブラツイストが出来なくなったり、観客を沸かすことが出来なくなる「無念さ」が更なる苦悩へとつながっていくのであります。

あり続けるという意味では、佐渡の月光仮面は少額ながら、37年間欠かさず施設にお年玉を届けているそうですし、無理をしない、身の丈に合った善意は、何もタイガーマスクや月光仮面じゃなくても、私にも貴兄にも出来るのであります。その小さな善意を続けていくことが出来れば、誰でもヒーローになれるわけで、決して一過性のブームで終わらず、来年も再来年もそのまた来年も、ヒーローがヒーローであり続ける世の中であればと願うのであります。

さてはて、冒頭で申し上げましたが、干支がトラからウサギに変わりまして、プロ野球で言えば、阪神のトラッキーから、巨人のジャビットに変わったということであります。来年は中日のドアラではありますが、果たして更なる星飛雄馬が生まれるのでありましょうか?パリーグでは斉藤佑ちゃんがもう既にヒーローでありますが、本当の意味でのヒーローであり続けることができるのでありましょうか?

そういえば日ハムの先輩ダルビッシュさんは、1勝するごとに、発展途上国や恵まれない子供たちのために、20万円寄付しているのであります。去年は1アウトを取るごとに3万円ずつ、サエコ夫人の故郷宮崎県の口蹄疫関係の方に寄付していたのであります。去年はそれだけでも1000万円近くの寄付をしております。これぞまさに現代のヒーローなのであります。その反動と言っては何ですが、私生活は泥沼のようでありまして、それが先程申し上げました裏側の苦悩であります。しかし、この自己犠牲こそがヒーローの正しい在り方なのでありますから、いたしかたございません。

この道を行けばどうなるものか危ぶむなかれ 危ぶめば道はなし。
踏み出せばその一足が道となる。迷わず行けよ!行けば分かる。

以上、真夏でもカラフルなマフラーを欠かさないアントニオ猪木さんのお言葉であります。

ああ、これぞ本当の「伊達男」というのでありましょう。

不動産部  加藤 一史

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